インテリアデザイナー 竹内三ツ木の  知ったかぶり
  
   
Vol. 101
木について(1)  


「木について」の最初の知ったかぶりは、私の名前に関する話です。先に書いた通り、私の名前は三ッ木と書いて「みつぎ」と読みます。この苗字の様な変わった名前とも六十年余りの付き合いになります。私が生まれたのは、昭和十八年で太平洋戦争の戦況が激しくなりつつある時代でした。父が名付けたこの名前はその数年前満州の部隊に居た時に思い付いた様です。
 






 大陸で冬の野営の時など、近くの森から手頃な木の枝を三本採ってきて、その片端 を束ねて三脚を造り、真中に背嚢や銃器などを吊るして置けば大陸のどんな強い吹雪 でも、豪雪でも朝まで無事だったそうです。これは二本ではもちろん、四本でも五本 でも倒れてしまったと聞きました。この体験から私の名前は付いたものです。はたし て六十年後、父の願いはかなったのでしょうか。

 ところで この「木」と言う字は、第一画目の横線を地面(グランドライン)と考え ると、上に突き出した第二画目の縦線の上部のみが木であり、下の部分と第三画目、四画目の斜めの線は「根」と言う事になります。木は葉の茂った樹である時、地上 に出ている「樹」の部分は風雨に耐えなくてはなりません。又、栄養分を採集し葉に 送り届けるためには「木」の部分より多くの「根」の部分を必要としているのです。「樹」と言う字も<き>と読みますが、この字のイメージは「大樹」や「樹林」など 青葉の生い茂った木の最も華やかなイメージを持っているのに比べ、「木」と言う字 は「老木」「古木」「流木」など枯れて地味なイメージです。しかし 建築用材とし ての木は「棟木」「垂木」「添木」など全て物を支える力となっています。

 私の父がそこまで思ってこの字を使ったかは、今は確かめられませんが。
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