インテリアデザイナー竹内三ツ木の  知ったかぶり
  
   
Vol.103
  木について(3)
   北半球でも南半球でも緯度がある程度高い地方には四季があります。日本のように四季がはっきりしていなくても、夏と冬の気候の違いは多くの地方にあります。そして、地球上のどこにでも木は生えており、この木々は夏と冬を繰り返し迎えます。木は成長するために地中の養分を一枚一枚の葉に送らなくてはいけない訳で、この養分を吸い上げる為の管状の繊維の集まりとその保護をする樹皮に包まれた部分が幹になります。成長するためにはこの管状の繊維は数を増やし、又太くもならなくてはいけません。夏の間は太陽光も強いから水分の発散も多く成長も激しいので、地中からより多くの水分や養分を葉に送る必要があります。冬は成長も遅く、水分の発散も少ないので管は太くなる必要はありません。このため、幹は太い繊維と細い繊維が繰り返しながら外側へ数を増やします。そして、夏に出来た繊維と、冬に出来た繊維とでは成長の速さから色や堅さが違ってきます。これが、木の年輪になり板などにした時の木目になります。したがって、夏と冬の寒暖の差が激しい地方に育った木ほど木目がはっきり綺麗に現れます。これは落葉樹と常緑樹にもいえ、その木の種類によって色や堅さの違いがあり、それぞれの個性的な木目が現れます。そして樹齢の多い木ほど、文字どうり多く年輪を重ねる事になります。「生木を裂く」と言う言葉がありますが、この繊維同士の結びつきは密度が濃く非常に強力です。

 木は又、日々の成長の中で太陽の当たる南側(南半球では北側)と、いつも陽の当たらない北側とでは、繊維の成長が違います。幹の切断面などで年輪を見た時、この木の年輪の始まりである「木の芯」がその幹の中心にないのはこのためです。この事から森の中で切り株の年輪で、東西南北の方向を見い出す事が出来ます。「木の芯」はその幹の中で必ず北側(南半球では南側)に寄っています。

 私も木に負けない密度の濃い、充実した年輪を重ねながら生きたいものです。
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